障がい者手当の廃止と人材不足対策が福祉の重点課題に
相模原市議会では高齢者・障害者・生活困窮者への支援や医療・健康分野について幅広く議論されてきた。最大の争点は、重度障害者等福祉手当を2024年10月から段階的に廃止し、個別給付から相談支援・就労支援などの「福祉基盤整備」へ転換する施策で、多くの議員が当事者の生活への影響や拙速な進め方を批判した。中山間地域では診療所の統合とオンライン診療の実証が進められ、介護・福祉現場の人材不足への対応(処遇改善、ICT・介護ロボット導入、介護報酬の地域区分見直し要望)も繰り返し取り上げられた。高齢者のごみ出し支援や孤独・孤立対策、ケアラー支援条例の制定、生活保護世帯への対応など、分野を超えた「地域共生社会」づくりも議論の軸となっている。
いまどうなっている?
2024年10月に重度障害者等福祉手当の段階的廃止が始まり、経過的手当も2026年9月で終了する。市は福祉基盤整備事業を拡大し、2026年度は72事業・約8億6700万円を計上した。中山間地域の青野原・藤野診療所は2026年4月から日本赤十字社が指定管理者として運営する。2026年4月にケアラー支援条例が施行され、高校生等医療費助成は2027年4月から所得制限を撤廃し全額助成に拡大される予定。
気になる疑問
Q. 福祉について、議員からどのような提案があったのか?
最も多かったのは重度障害者等福祉手当の廃止に反対し、代替の相談支援や就労支援を先に充実させるべきだという提案(五十嵐千代議員ら)。介護・福祉人材確保のための家賃補助や奨学金(寺田弘子議員ら)、高齢者のごみ出し支援(萩生田康治議員ら)、中山間地域の医療維持(臼井貴彦議員ら)、帯状疱疹ワクチンの独自助成(後田博美議員ら)なども繰り返し提案された。
Q. 市はどのような取り組みをしているのか?(高齢者・障害者・生活困窮者への支援、医療など)
相談支援包括化推進員の配置や重層的支援体制整備事業で分野を超えた相談体制を整備。障害者には短時間雇用創出事業や移動支援拡大などの「福祉基盤整備」を進め、中山間地域では診療所再編とオンライン診療を実証。生活困窮者には就労支援やフードバンク連携、子ども食堂への補助金新設も行っている。
Q. 福祉手当の見直しなど、制度はどう変わったのか?
重度障害者等福祉手当は2024年10月から段階的に廃止され、2026年9月に経過的手当も終了する。重度障害者医療費助成も65歳以上の新規対象者を除外し所得制限を導入した。生活保護世帯の下水道使用料減免も廃止された。一方、高校生等の医療費助成は所得制限を撤廃し2027年4月から全額助成に拡大される。
Q. 介護や福祉の人手不足にどう対応しているのか?
市はICT・介護ロボット導入費を4年で24施設に約6億8000万円補助し、外国人材向けセミナーや未経験者の就職支援(延べ97人就職)を実施した。介護報酬の地域区分が近隣市より低いことへは国に見直しを要望し続けているが、家賃補助や奨学金など市独自の直接支援は「予定していない」としている。
Q. 議員の提案から実現したこと・まだ課題として残っていることは何か?
実現したものとして、ケアラー支援条例の制定、障害児の通学移動支援の市独自制度化検討、自動車改造費助成の対象拡大、ふれあい収集のモデル事業開始などがある。一方、重度障害者等福祉手当廃止後の生活困窮への対応、介護人材の地域区分格差の解消、帯状疱疹ワクチンの独自年齢拡大助成などは実現していない。
これまでの経緯
2023年3月
相模原市健康づくり推進条例を制定し、健康づくりの基本理念や市の役割を規定
2024年3月
重度障害者等福祉手当条例を廃止し、段階的な経過的手当(減額)への移行を可決
2024年3月
重度障害者医療費助成に65歳以上の新規対象外・所得制限を導入する条例を可決
2024年度〜
福祉基盤整備事業を開始し、相談支援員22名増員や短時間雇用創出事業などを実施
2024年6月
高齢者デイサービスセンター3施設(清新・星が丘・古淵)の廃止条例を可決
2025年3月
青野原・藤野診療所を国保診療所として再編し、指定管理者制度・利用料金制を導入する条例を可決
2025年7月
津久井障害者地域活動支援センターを廃止する条例を可決(施行は2026年4月)
このテーマに関心のある議員
本会議の一般質問・代表質問での発言内容から分けています(委員会での発言は含みません)。
高齢者・介護13人
これからの注目点
- 重度障害者等福祉手当廃止後も「生活が成り立たない」との回答が約4割あり、代替支援が十分か検証が続いている
- 介護報酬の地域区分が近隣市より低く、人材流出・賃金格差の解消は国への要望止まりで実現していない
- 高齢者のごみ出し支援(ふれあい収集)はモデル事業の段階で、全市展開の時期は決まっていない
- 帯状疱疹ワクチンなど独自の年齢拡大助成は財源不足を理由に実現していない
- 中山間地域医療の再編やオンライン診療の本格運用に向けた検討が続いている
関係する議案
- 2026年 議案第100号 令和7年度相模原市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定(賛成多数)
- 2026年 議案第101号 令和7年度相模原市介護保険事業特別会計歳入歳出決算認定(賛成多数)
- 2026年 議案第102号 令和7年度相模原市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算認定(賛成総員)
- 2026年 議案第103号 令和7年度相模原市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定(賛成多数)
- 2026年 議案第115号 相模原市国民健康保険診療所条例の一部を改正する条例について可決(賛成総員)
- 2026年 議案第66号 相模原市立市民健康文化センター条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議提議案第6号 ドナーミルクの利用拡大を求める意見書可決(賛成総員)
- 2026年 議提議案第7号 地方財政の充実・強化を求める意見書可決(賛成総員)
- 2026年 議案第3号 令和8年度相模原市国民健康保険事業特別会計予算可決(賛成多数)
- 2026年 議案第4号 令和8年度相模原市介護保険事業特別会計予算可決(賛成多数)
- 2026年 議案第5号 令和8年度相模原市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算可決(賛成総員)
このページは、本会議の一般質問・代表質問の会議録(171件)と議案の要約をもとに AI が作成したもので、誤りを含むことがあります。 最終更新: 2026年11月3日