公共施設料金、最大1.3倍に値上げ 財政好転の中でも「負担の公平」を継続
相模原市は体育館やプール、公民館、市民会館、斎場など多くの公共施設の使用料・手数料について、「サービスを利用する人と利用しない人の公平性」を図るという「受益者負担の在り方の基本方針」(2012年度策定)に基づき、原則3年ごとに料金を見直している。2023年の見直しでは料金引き上げと同時に、市内の中学生以下(15歳以下)の施設個人利用を無料化した。2026年6月定例会議では、さらに多くの施設の料金が、急激な負担増を避ける「激変緩和措置」の上限である現行の1.3倍まで引き上げられる条例改正が相次いで可決された。一方、この間、市は2021年度に始めた「相模原市行財政構造改革プラン」で公共施設の統廃合や社会保障施策見直しなど厳しい財政健全化に取り組んできたが、市税収入の堅調な推移などにより財政状況は好転し、2025年3月末でプランを前倒し終了。2025年度以降は過去最大規模の積極的な予算を組むようになった。こうした「財政は好転したのに値上げを続けるのか」という状況の中で、料金改定のタイミングや基本方針そのものの妥当性について、議会で様々な意見が出ている。
いまどうなっている?
2026年6月定例会議で、相模川自然の村、市民健康文化センター、総合体育館、総合水泳場、市民会館、文化会館、都市公園のグラウンド等、市営斎場など多数の施設の使用料・利用料金条例が改正され、多くが現行料金の最大1.3倍まで値上げされた。施行は2027年1月1日を基本に、一部は2027年4月や7月、2028年1月から適用。市は「受益者負担の在り方の基本方針」(2012年度策定、未改定)を今後も継続する方針だが、次回改定では社会経済情勢の変化を踏まえる考えも示している。
気になる疑問
Q. どの施設の料金が、どのくらい上がったのか?
2026年6月の議案で非常に多くの施設の料金が改定された。例えば相模川自然の村の大広間は1時間1,300円→1,600円、市民健康文化センターのプール利用料(大人・1日)は4,500円→5,800円、市民会館のホール利用料(休日・1日)は189,000円→202,000円、文化会館の大ホール(平日・1日)は295,400円→323,100円、相模川ふれあい科学館の入館料(大人)は450円→500円など。多くは激変緩和措置の上限である現行の1.3倍まで引き上げられ、都市公園のグラウンドなどは「おおむね2〜3割程度」、総合体育館は「3割前後」の値上げとされている。
Q. なぜ値上げしたのか?
市は2012年度に「受益者負担の在り方の基本方針」を策定し、施設を利用している人と利用していない人との公平性の観点から、受益と負担をより適正な関係にするため、原則3年ごとに定期的・継続的に使用料等を見直す方針をとっている。物価や管理運営コストの変動を料金に反映させる目的もあるとされる。
Q. 値上げで市民の負担はどう変わるのか?負担を軽くする措置(激変緩和・子どもの無料化など)はあるのか?
算定結果が現行料金より急激に上がる場合は「激変緩和措置」として、原則現行料金の1.3倍を超えない範囲で改定し、段階的に適正な水準へ近づける。2023年10月からは市内在住・通学の中学生以下(15歳以下)の施設個人利用を無料化しており、2026年の見直しでも維持されている。ただし団体利用の無料化はまだ実現しておらず検討中。なお市外住民には激変緩和措置が適用されないため、市営斎場の市外料金などは1.3倍を超えて上昇する場合がある。
Q. 市の財政は実際どうなっているのか?(市債・基金・今後の見通し)
2021年4月策定の行財政構造改革プランは、当初令和3〜9年度で約816億円の歳出超過を見込んで始まったが、市税収入が想定より堅調だったことなどから見込みは縮小し、財政調整基金残高は令和元年度末68億円から令和5年度末288億円前後まで増加。2024年8月、財政健全化目標の早期達成が見込めるとしてプランは2025年3月末で前倒し終了した。市債残高は他の政令市と比べ非常に少なく、実質公債費比率・将来負担比率も良好だが、投資的経費(道路整備など)は政令市で最も少ない水準とされる。2025年度以降は「さがみはら都市経営戦略」のもと、過去最大規模の積極予算が組まれている。
Q. 議会ではどのような意見が出たのか?(賛成・反対の理由)
受益者負担の考え方自体には多くの議員が理解を示す一方、「物価高騰の中でこの時期に値上げすべきか」「激変緩和の1.3倍という上限をもっと下げるべき」「市民へのパブリックコメントを行うべき」といった負担軽減や丁寧な説明を求める意見があった。逆に、コストを使用料に反映しないことは施設を利用しない市民の負担を増やすことになるとして、見直しの必要性を支持する意見や、市外料金には激変緩和措置を適用する必要がないとの指摘も出された。
これまでの経緯
2012年度
「受益者負担の在り方の基本方針」を策定。原則3年ごとに公共施設の使用料等を見直す方針を定める。
2021年4月
相模原市行財政構造改革プラン策定。令和3〜9年度で約816億円の歳出超過見込みを背景に公共施設見直し等に着手。
2023年3月
体育館・プール等多数の施設で使用料を引き上げる条例を可決し、同時に市内の中学生以下の個人利用無料化を決定。
2023年9月
銀河アリーナの利用料金見直しと子どもの個人利用無料化を可決。
2023年11月〜12月
行財政構造改革プラン第2期案を示し、財政調整基金は標準財政規模の8%程度(約144億円)を確保する方針を提示。
このテーマに関心のある議員
本会議の一般質問・代表質問での発言内容から分けています(委員会での発言は含みません)。
値上げに反対・負担軽減を求める4人
値上げに理解・受益者負担を重視2人
- 古内明
コスト増を使用料に適切に反映しないことは施設を利用しない人の負担を増やすと指摘し、受益者負担の必要性を支持する一方、丁寧な説明や低稼働施設の利用率向上の工夫を求めた。
これからの注目点
- 2012年度策定の「受益者負担の在り方の基本方針」自体を、物価高騰など社会情勢の変化を踏まえて見直すかどうか
- 子どもの施設使用料無料化を、個人利用だけでなく団体利用にも拡大するかどうかの判断がまだ出ていない
- 低稼働施設(グラウンド等)の利用率向上に向けた半額実証実験などの具体化がどう進むか
- 市内料金と市外料金、施設ごとの料金設定の違い(二重価格)の整合性をどう説明していくか
- 積極財政に転じた後も将来の財政硬直化リスクをどう管理していくか
関係する議案
- 2026年 議案第110号 令和7年度相模原市下水道事業会計決算認定(賛成総員)
- 2026年 議案第135号 相模原市立学校体育施設使用料条例の一部を改正する条例について可決(賛成総員)
- 2026年 議案第65号 相模原市立相模川自然の村条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第66号 相模原市立市民健康文化センター条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第67号 相模原市営斎場条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第68号 相模原市立男女共同参画推進センター条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第69号 相模原市都市公園条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第70号 相模原市立総合体育館条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第71号 相模原市立総合水泳場条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第72号 相模原市立グラウンド等スポーツ施設に関する条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
- 2026年 議案第73号 相模原市立相模原球場条例の一部を改正する条例について可決(賛成多数)
このページは、本会議の一般質問・代表質問の会議録(161件)と議案の要約をもとに AI が作成したもので、誤りを含むことがあります。 最終更新: 2026年11月3日